転職前後における住宅ローン契約への影響は?

つくば市で「住宅ローン教育資金ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。

テーマ  住宅ローン 注意点

転職情報サイトリクナビNEXTが2017年5月に自サイトの登録者に対して行ったアンケートによると、転職の経験があるのは20代で24、30代で53、40代では62という結果す。 

一般的に住宅を購入し、ローンの支払いを始めるのは30~40代が中心ですから、その年代の2人に1人以上が転職経験をしています。

そこで問題となるのが、住宅購入と転職が重なってしまう時です。住宅ローン審査において転職はマイナスになってしまうのでしょうか? 

今回はこの住宅ローンと転職の関係についてご説明します。 

転職前後における住宅ローン契約への影響は?

転職直後は住宅ローンが組みづらくなる

ひと口に転職といっても、自己都合の場合もあれば、会社側都合の場合もあり、一概には言えませんが、一般的に転職直後は住宅ローンが組みづらくなると言われています。

その最大の理由は、住宅ローン審査のなかに「勤続年数」という項目があるからです。 

 

住宅ローン審査の項目としてなぜ「勤続年数」があるかといえば、勤続年数が長いほうが安定した収入がある(現在だけではなく住宅ローンを開始した後も)と判断できるからです。 

 

逆に転職直後となると安定性に疑問符がつくこと、そして年齢によってはその後の収入アップ額が少ないのではと判断され場合あります。

そのためこの項目に関してはマイナスになってしまい、審査に通らない可能性が高くなってしまうのです 

 

ただし、転職先が前職と同じ業種であれば、勤続年数が短くてもマイナスにならない場合もあります。

さらに前職よりも収入がアップしているとなれば、逆にプラスに働く可能性もあるので、転職すれば必ず住宅ローン審査に通らなくなるということではありません。 

 

ではどの程度の勤続年数であれば審査でマイナスにならないのかと言えば、金融機関によって異なるものの、だいたい1年が目安となります。

転職後1年が過ぎていれば、この項目に関してはマイナスになる可能性は低いと考えます 

 

ただ住宅は最低でも数千万円はする買い物であり、年齢やタイミングでどうしても今、買わなければならないといった時にたまたま転職が重なってしまうこともないとはいえません。 

 

そうした際には、住宅金融支援機構の住宅ローンフラット35をおすすめします。なぜなら勤続年数が審査項目になく、転職後であっても審査にマイナスにならないからです。 

 

転職前に住宅ローンを組むメリット・デメリット 

転職の条件がそろっていたり、住宅ローンの種類を選べば、転職直後であっても住宅ローンを組むことは可能です。 

 

でも、転職をする前に住宅ローンを組めば、転職先も住宅ローンも幅広い選択肢のなかから選べるのでは?と考える人もいるでしょう

しかし転職前に住宅ローンを組むことも必ずしも住宅購入者にとってメリットばかりとは言い切れません。 

 

転職前に住宅を購入すれば、当然ながら転職直後よりも住宅ローン審査には通りやすくなるでしょう。

しかし実はメリットはそれぐらいで、逆にデメリットのほうが多いのです。

具体的には次のようなデメリットが考えられます。 

転職前よりも収入が減ってしまう可能性がある 

住宅ローンの返済額は現在の収入で、支払い可能な額です。そのため転職後に給料が減ってしまえば、毎月の支払が厳しくなり、最悪の場合、返済できなくなってしまいます。 

転職先が気に入らずすぐに退職してしまう可能性がある 

転職先で何のトラブルもなく働くことができれば問題はありません。

しかし実際に転職をしてみたら人間関係や業務内容があわ、退職する状況になってしまう可能性もあります

そしてそうなれば無職で収入がなくなってしまい、住宅ローンどころではなくなってしまいます。 

 

違う分野へのチャレンジであれ、同業種でのキャリアアップであれ、転職するということは未知の場所へ行くことであり、そこで何かしらの壁に直面したり、問題が起きたりする可能性はゼロではありません。 

転職は慣れない環境でストレスを受けます。そんな時期に、住宅ローンを抱えるのは心理的にも不安が大きいでしょう。 

転職も住宅ローンを組むことも人生の大きなイベントです。

計画があいまいだと大きな痛手を受けますので、同時に行うことについては慎重に考えるのがよいでしょう。