住宅ローンの月々の適切な返済額は?
つくば市で「住宅ローン・教育資金・ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。
テーマ 住宅ローン 注意点
住宅を購入するのは30~40代が多く、この世代は子どもの教育費にもお金がかかる時期です。
家族が不自由なく暮らしていけるような生活費を維持しながら住宅ローンを返済していくためには、月々の返済額はどの程度にすればよいのでしょう?
今回は、住宅ローンを組む際に知っておきたい適切な返済額について考えていきしょう。
住宅ローンの月々の適切な返済額は?
月々の返済額の平均
自分にとって適切な住宅ローンの返済額を知る前に、まずは全体の平均返済額をみてみましょう。
国土交通省住宅局が毎年発表している「住宅市場動向調査報告書」の平成30年度版によると、住宅ローンがある世帯の年間返済額は、次の通りです(※注文住宅のみ全国、その他は三大都市圏での調査)。
【注文住宅】 ・年間返済額 116万5000円 ・月返済額 約9万7000円 【分譲戸建住宅】 ・年間返済額 116万7000円 ・月返済額 約9万7000円 【分譲マンション】 ・年間返済額 130万9000円 ・月返済額 約10万9000円 【中古戸建住宅】 ・年間返済額 115万3000円 ・月返済額 約9万6000円 【中古マンション】 ・年間返済額 104万3000円 ・月返済額 約8万7000円
この結果から見ると、月々の返済額は8万円後半から10万円後半となっています。
ただしこれはあくまでも平均値であり、「思っているより少し高い」といった印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
少し古いデータではありますが、住宅ローンの情報を紹介するWebサイト「住宅本舗」が2015年に行った調査のなかで「あなたの家計の負担にならない住宅ローン、月々の返済額は?」という問いに対し、一番多かったのは「5万円~10万円」で50%、次に多かったのが5万円以下で44%となっています。
この結果からも可能であれば、月々の返済額は5万円~8万円、出せたとしても10万円以内が理想と考えている人が多いことがわかります。
ローン返済期間の多くは30~35年
次にローンの返済期間を見てみましょう。
前出の「住宅市場動向調査報告書(平成30年度版)」によると、返済期間の平均は次の通りです。
【注文住宅】 ・平均返済期間 31.6年 【分譲戸建住宅】 ・平均返済期間 33.3年 【分譲マンション】 ・平均返済期間 33.7年 【中古戸建住宅】 ・平均返済期間 27.3年 【中古マンション】 ・平均返済期間 28.5年
この結果から、中古は27~28年、新築であれば30~33年というのが平均的な住宅ローンの返済期間であることがわかります。
また同調査で新築注文住宅を取得した世帯主の年齢を見ると、30代がもっとも多く43.7%、次いで40代の23.1%と、30~40代で約70%を占めています。
これに平均返済期間を加えると、返済が終了する年齢は30代前半でも60代前半、40代になると70歳を超える、つまり定年退職後も返済が続くということです。
30~40代の多くは、子どもの教育費でお金がかかる時期でもあるため、できるだけ月々の返済は抑えたいものです。
しかし、50代後半になると定年退職が見えてくることもあり、「それまでに完済」といかないまでも、できるだけ残額は少なくしておくのが理想でしょう。
次回は、これらをふまえ、自分にとっての適切な月々の返済額はいったいいくらなのかをご説明します。
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