住宅ローンで10年固定金利はお得か?

つくば市で「住宅ローン教育資金ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。

テーマ  住宅ローン 組み方

前回は10年固定金利の住宅ローンについてご紹介しました。

今回は本当にお得なのかについて考えてみましょう。

住宅ローンで10年固定金利はお得か?

当初10年固定金利の住宅ローンに向かない人

当初10年固定金利は10年以降は変動金利になります。金利の上昇があるかもしれない上に、住宅ローンの途中から変動金利に切り替えになるので、金利の優遇もあまり期待できません。

10年たったあともそのまま同じ金融機関の住宅ローンを継続して、返済額が多少上がっても毎月同じように返済を続けるのであれば、結局最初から固定金利なり変動金利で返済しておいた方が得になる場合もあります。

したがって、当初10年固定金利は、先のことを何も考えずに「とりあえず、金利が安いから10年固定にしておこう」という人には向きません。特に、10年後は子どもの学費にお金がかかるなど出費の多い時期を迎える人にとって、返済額が上がるのはリスクです。

当初10年固定金利の住宅ローンに向く人

住宅ローンの借入金額が高くなく、残りの返済期間が短い人は向いていると言っていいでしょう。10年後の住宅ローン返済残高が少なければ、多少金利が上がっていたとしても問題ないからです。

また、10年後に適用金利の見直しをするとき、金融機関の担当者と金利の交渉ができる人も向いています。金融機関は、10年後も借り続けてもらうために当初の金利を下げているので、借り換え防ぐために多少の交渉には応じてくれます。

自己資金が潤沢な人も向いています。10年後に住宅ローンの残高を全額一括返済できれば、低金利のメリット受けたままで完済できるわけです。さらに住宅ローン控除が、10年間固定された金利より上回るので、借り入れした金額より返済額が安くなります。

逆に、自己資金がほとんどない若い世代にも向いているともいえます。矛盾したようなお話ですが、若くて将来性のある人なら10年後は金銭的な安定が見込まれるからです。低金利で返済する10年の間にコツコツ貯金をしたり、年収が上がったりすれば、繰り上げ返済や借り換え、家の買い替えなど幅広い選択ができます。

当初10年固定金利の住宅ローンは10年後を考えて決める

例えば35年ローンの場合。固定金利がいいのか、変動金利がいいのかを35年もの長期間払い続けた結果どのような差が生じるのか、どちらにメリットがあるのかを判断するのは専門家でも難しい問題です。

確かに、専門家でも答えが出せない金利について、みなさんが住宅ローンを組むときに決めるのは大変です。
その点、当初10年固定金利であれば、10年後に改めて金利を選び直すことができるので 「とりあえず」で判断することもできます。しかし、金融機関に対してはそれでいいのですが、10年後にどうするかを、借りる側のみなさんはしっかりと考えておいた方がいいでしょう。

10年間の金利のメリットだけで満足して10年後に金利が多少上がっても問題なければ、そのまま借り続けるのでもいいでしょう。でも、せっかく安い金利で10年間借りることのできるローンなので、そのメリットを活かす方法を考えるべきでしょう。

では、10年後にどのような選択肢があるのでしょうか。まずは、住宅ローンを組む金融機関で、10年の期限が過ぎたあとに変動金利か固定金利を選べるかどうかを確認して、できるだけ選択肢の多い金融機関で住宅ローンを組むといいでしょう。

当初10年固定金利の、金利の安さで選んだけれど10年後は変動金利になるという場合は、住宅ローンの借り換えを考えて他の金融機関の商品を調べておきましょう。金利の安さに安心せずに、コツコツ貯金をして繰り上げ返済を考えるのもいいでしょう。

住宅ローンは高額の借り入れなので、金利の少しの違いも月々の返済に大きな違いが出てきます。長期に返済することを考えれば、住宅ローンはできるだけ有利な条件で借りるようにしましょう。