住宅ローン返済期間は長い方が良い?それとも短い方が良い?

つくば市で「住宅ローン教育資金ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。

テーマ  住宅ローン 要件

住宅ローンの借り入れ可能な年齢や、返済期間の長短によるメリット・デメリットなどをお伝えします。

ローン返済期間は長い方が良い?それとも短い方が良い?

住宅ローンの返済期間と毎月の返済額は、借入時と完済時の年齢や借入額により計算します。

返済期間を短期にすると月々の返済額は高くなり、長期だと低くなります。

例えば45歳の人が5,000万円の借り入れをして、返済期間を35年(完済時は80歳)、金利は1.090%、ボーナス返済なしの元利均等返済、全額固定金利とすると、毎月の返済額は14万3,249円になり、総返済額は約6,016万円になります。

同じ条件で返済期間を20年(完済時は65歳)にすると、毎月の返済額は23万616円、総返済額は約5,530万円になります。

これでわかることは、総返済額は35年ローンの方が486万円高くなり、毎月の返済額は約8万7,000円も少なくて済むということです。

返済額の合計でみると20年ローンの方が安いのですが、月々の返済額が9万円近くも安く抑えられる35年ローンの方が、ずっと払いやすいように思えます。

そうなると、目先の返済額を考えて、30年ローンを選んでしまいがちです。

しかし、ここでよく考えてみましょう。
35年かけて返済するということは、定年退職後も返済が続くということです。

65歳で定年退職すれば、残り15年も返済が続きます。

短期間の方が、老後が楽になる

上記のことから考えると、できれば65歳の時点で完済できるように、短期間で返済するローンを組むと、老後の暮らしが楽になります。

前回の住宅ローンを何歳まで申し込めるのかという問いに「70歳まで可能」とお話ししたが、実際には完済時の年齢と返済期間を考慮すると、できるだけ若いうち、40代までには借り入れをするのが良いでしょう。

ボーナスや退職金をローンの返済に充てる、または繰り上げ返済をすることも考えられますが、最近の世情では、ボーナス・退職金にあまり期待はできません。

繰り上げ返済についても、子どもの教育費や結婚費用などの出費も視野に入れると、予定通りの繰り上げ返済は難しくなる、と考えた方がよいでしょう。

ボーナスや退職金に頼らず、繰り上げ返済も予定に入れない返済計画を立てて、地道に返済をしていきましょう。

何歳までに完済すべきなのか?

完済時の年齢を、80歳としている金融機関が多いですが、80歳まで返済可能かどうかということを考えれば、できれば65歳で完済した方がよいでしょう。

多くの企業が定年を65歳としているので、定年退職した後は当然収入が減り、年金生活になってしまいます。そうなると、ローンの返済が難しくなります。

現在の平均年金支給額をみると、ほとんどの人が余裕のある生活ができるとは思えません。それにローンの返済が加わると、赤字になる可能性が高いと言わざるを得ません。

実際に老後破綻も、増えている傾向にあります。住宅ローンの返済ができなくなり、子どもに肩代わりをしてもらうなどの迷惑をかけたり、せっかく手に入れたマイホームを売却してしまったり、生活保護を受けたり、最悪の場合は自己破産したり、という事態に陥る人も少なくありません。

会社勤めから解放されて、第二の人生を夫婦二人で楽しめるようになるのが定年です。
つましく暮らし、でも何の不安もなく心豊かな老後を送るために、65歳までに住宅ローンの完済を目指すのがよいでしょう。

もし、どうしても65歳で完済できないと思われる場合は、早い段階から定年後も働き続けるための準備しておくことが大切です。

しかし、人生100年時代と言われる昨今ですから、定年を迎えても仕事をして毎月収入がある生活を送ることで、生活にハリが出てよいかもしれません。