住宅ローン控除で住民税は安くなる?
つくば市で「住宅ローン・教育資金・ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。
テーマ 住宅ローン 注意点
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入した際に活用できる減税措置です。
住宅ローンの年末残高の一定割合が税額控除になるという、非常に魅力的な制度であると言えます。
原則、所得税からの税額控除ですが、中には控除可能額が所得税額を上回り、控除しきれないケースもあります。
所得税が少なくて住宅ローン控除の額が所得税から引ききれない場合には、その残額を住民税から引くことになるので「住民税が安くなるケース」もあります。
今回は住宅ローン控除の仕組みについてのご紹介です。
住宅ローン控除で住民税は安くなる?
住宅ローン控除とは?その限度額は?
住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度です。
個人が住宅の新築・購入を行い住宅ローンを利用すると、その年の年末のローン残高の一定割合に当たる金額が所得税から控除されるというものです。
本来、おさめるべき税金の額から直接、減税額が差し引かれることになり、納税額そのものを減らすことができるので大きな減税効果が得られます。
住宅ローン控除を受けるためには、次のような条件を満たす必要があります。
・自ら居住する家であること
・床面積50㎡以上の家であること
・耐震性能が合格基準を満たしていること(中古住宅の場合)
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること
・年間所得が3000万円以下であること
また、住宅ローン控除の申請については世帯単位だけでなく、個人単位でも可能です。
夫婦共有名義であれば、夫婦2人で住宅ローン控除を受けることができます。
今後2021年までに住宅を購入して新たに適用を申請する場合は、その後の10年間、毎年の年末時点でのローン残高の1%が控除されます。
1年ごとに控除される額には限度額があります。
最高でローン残高4000万円、うち1%にあたる40万円です。
高性能の家であることが認められた認定長期優良住宅等の場合には、ローン残高5000万円の1%で50万円となっています。
ただし消費税率が5%、または非課税の時の売買では1年あたり20万円、長期優良住宅や低炭素住宅は30万円です。
毎年40万円〜50万円の税金が戻ってくると考えると、かなりの高額です。
しかし、誰もが限度額いっぱいの控除を10年もの間、受けることができるのかというと、そうではありません。
なぜなら10年先まで4000万円、5000万円のローンが残るような高額ローンを組むケースはなかなかないからです。
また、税金を払った分から戻る仕組みなので、40万円、50万円の税金を払うような高収入な人ばかりとは限らないとも言えます。
所得税から控除しきれない時、住民税から控除される
住宅ローン控除は、住宅ローン返済をしている人に対する税制上の優遇措置です。これは所得税の減税であり、通常では住民税が安くなることはありません。
ただし、住宅ローン控除前の所得税額が住宅ローン控除額より少ない場合、所得税から住宅ローン控除額が引ききれないこととなります。
例えば、源泉徴収税額18万円の人に2000万円の住宅ローン残高があったとしても、戻ってくる所得税は1%にあたる20万円ではなく、18万円でしかないということです。
このようなケース、つまり所得税で全額ローン控除を受けられない人のために、翌年度の住民税からローン控除を受けられる仕組みがあります。
住民税からの控除額には1年ごとに上限があり、上限額は住宅を新築・購入したときに課税された消費税率によって異なります。
なお、長期優良住宅や低炭素住宅に対する優遇はありません。
・消費税率5%または非課税のときの住宅では9万7500円
・消費税率8%のときの住宅では13万6500円
となっています。
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