住宅ローンを退職金で一括返済は得か?損か?

つくば市で「住宅ローン教育資金ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。

テーマ  住宅ローン 注意点

前回は住宅ローンを退職金で一括返済することのリスクについてご説明しました。

今回は、退職金で一括返済が得なのか?損なのか?と注意点についてご説明します。

住宅ローンを退職金で一括返済は得か?損か?

退職金での一括返済は得か損か?

退職金で住宅ローンを一括返済することで、手元に残る現金が減り、老後の生活に不安を残すことになる。

これに対してメリットといえば、毎月の返済負担がなくなるだけです。

確かに、これまで何年も毎月返済していたローンがなくなることは、精神的にも楽になるでしょう。

しかしそれ以上にデメリットのほうが多く、現状では得よりも損をする可能性のほうが高いといえます。

 

多くの家庭において、一番お金がかかるのは子どもの成長時期だと言われています。中学、高校、大学と進学する際の教育資金が必要になるからです。

従来、この教育資金が必要となるのは親が30代後半から50代にかけてでした。

しかし晩婚化が進むにつれ、その年代も上がり、昨今は子ども大学に進学する時の親の年齢が、60歳を過ぎていることは珍しいことではありません。

しかし家庭によっては子どもが独立し、定年退職を迎える頃には家計の支出をおさえられる可能性もありますが、年齢を重ねることで出費が増えるものがあります。

それは医療費です。

病気になった際の手術代や入院費のほか、住宅のバリアフリー化も必要になるかもしれません。

そうしたことが起きた際、手元に現金が残っていなければ、不安は大きくなるでしょう。

 

現在は、住宅ローンの契約をする際、団体信用生命保険に加入することが基本となっています。

この保険に入ることで、万が一、住宅ローンの返済中に亡くなっても残額はすべて保険でまかなわれます。

であれば、老後の生活や不測の事態に備えて退職金をとっておくほうがよいといえるでしょう。

住宅ローンを退職金で一括返済する際の注意点

ここまで、退職金を使って住宅ローンを一括返済するリスクについてお話ししました。

しかし、さまざまな事情でどうしても退職金で一括返済をしなければならない場合の注意点についてご説明します。

 

1つは、早い段階から退職金の額と退職時の住宅ローン残高を把握しておくことです。

そうすることで、一括返済をしてもローンが残ってしまうといったリスクに備えることができます。

 

また老後の生活に備えるため、繰り上げ返済が可能な時にできるだけ返済をしてしまうことです。

繰り上げ返済を行えば支払う金利も減りますので、その分を老後の資金として蓄えておくことができます。

老後の不安を解消するためにも、定年を迎える前に住宅ローンの返済状況を確認し、対策を考えておくことが大切です。