住宅ローンの繰り上げ返済はお得か?

つくば市で「住宅ローン教育資金ライフプラン/家計」に関する相談が得意な子育て世代を応援するファイナンシャルプランナーの藤井です。

テーマ  住宅ローン 注意点

前回、住宅ローンを少しでも楽にする方法の1つである繰り上げ返済の種類として、繰り上げ返済について、「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つのタイプについてご説明しました。

今回はそれぞれのメリット・デメリット、繰り上げ返済を行うタイミングのほか、「繰り上げ返済はお得なのか」についてご説明します。

住宅ローンの繰り上げ返済はお得か?

住宅ローンの繰り上げ返済のメリット・デメリット

繰り上げ返済に2つの方法があることはご理解いただけたと思います。

それでは次にそれぞれの返済方法のメリットとデメリットを見ていきましょう。

【返済期間短縮型のメリットとデメリット】

返済期間短縮型の最大のメリットは返済期間を短縮できること、そしてその分の金利も軽減されることです。

一般的な住宅ローンの返済期間は20~35年と長期間にわたって返済していきます。

以前のような右肩上がりの経済成長が続いている時代であれば、20年先、30年先も安定した収入を見込めるかもしれません。

 

しかし現在では、将来的に今と同様、もしくはそれ以上の収入があるかどうかを期待できない、不透明で不安定な社会の状況があります。

老後に少しでもお金を残しておくため、1日でも早く住宅ローンを終わらせたいという人にとって、返済期間短縮型による繰り上げ返済は大きなメリットとなるでしょう。

 

これに対して返済期間短縮型のデメリットは、毎月の返済額は変わらないという点です。

もちろん住宅ローンを組む時点で毎月の返済額はわかっているはずです。

しかし社会情勢の変化や自身や家族の病気、転職など、思いもよらぬ出費が発生する可能性はゼロではありません。

そうした際に毎月、住宅ローンの返済をしなければならないのは大きな負担となってしまいます。

【返済額軽減型】

返済額軽減型の最大のメリットは、毎月の返済額を軽減できることです。

毎月の返済額が軽減されることで、その分を生活費やいざという時の備えとして、貯蓄にまわすことができます。

 

多くの場合、住宅ローンの支払いを始めるのは30~40代です。この年代は結婚して子どもが生まれ、生活費としてもっともお金がかかる時期でもあります。

そうした時期に住宅ローンの返済額が軽減されることは返済額軽減型の大きなメリットといえるでしょう。

 

これに対して返済額軽減型のデメリットは、返済期間は変わらないこと。

そして返済期間短縮型に比べ金利の軽減額が少ないことです。

返済額が軽減されるとはいえ、住宅ローンの開始時期が遅ければ60歳を過ぎても返済を続けていくことになります。

これも返済期間短縮型同様、始めからわかっていることとはいえ、老後に不安が残ってしまうことは否めません。

 

また返済期間短縮型と同額の繰り上げ返済をしたとしても、返済額軽減型のほうが金利の軽減額が少ないのも、デメリットといえます。

繰り上げ返済を行うタイミング

繰り上げ返済のメリットとデメリットを見たうえで、実際に繰り上げ返済をする場合、いつ行うのがよいのかについてもご説明します。

基本的には住宅ローンが開始されたらできるだけ早く、可能であれば10年以内に行うことがよいでしょう。

繰り上げ返済は早く行ったほうがよい最大の理由は、そのほうがより金利を減らすことができるからです。

ただしここで1つ注意点があります。

それは最初の10年は住宅ローン減税があるということです。

この期間に繰り上げ返済を行ってしまうと、その分、減税額も減らされてしまうことになり、トータルではかえって損をしてしまう可能性があります。

 

特に現在は低金利のため、早くても住宅ローン減税がなくなった後に行うことが、最もお得になるといえます。

 

そして仮に今後、高金利になった場合は、住宅ローン減税があったとしても、早期に繰り上げ返済をしたほうがお得になることもありますので、詳しくは専門家に相談されることをおすすめします。